妖怪アパートの幽雅な日常・小説9巻は、長谷の高校の文化祭や夕士の高校の文化祭など、最後の山場前の閑話休題的な感じもしないでもないが、そこはいろいろと学びのある内容になっている。
Contents
学生生活の日常の表と裏
男子学生服喫茶は、夕士のクラスの模擬店。
オーナーは白いガクランを来た千昌先生だ。
学生服は夕士が住んでいるエリアでは、夕士が通う条東と条南だけで、あとはブレザー。なので学生服は希少とのことだ。
ちなみに私が住んでいるエリアでは、学生服がまだまだメインだ。田舎だから(笑)
そして、チアキがオーナーということで、当然、女生徒が怒涛のごとく押し寄せてくる。ゆえに、1組30分という時間制限付きの喫茶(笑)。さすがだ。
しかし、そんな楽しげな文化祭の準備から本番などを通した、表面的な学生生活、日常にも、影の部分がある。
ネットに夕士たちの悪口が書きこまれている!
しかも、名指しで!だ。
ネットのこういった利用は現にあるので恐い。
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夕士たちは毅然とした態度で対処するが、それも心強い仲間がいるからとも言える。
が、もしもたった一人で公開処刑的に釣り上げられたら、たまったものではない。
現にそういったことで追い込まれ精神的に追いやられている人もいる。
つまりは、自分自身が追い込まれ、どうしようもないその気持ちのやり場に、ネットを選んで、気持ちをぶつけたのだろう。
ねたみ、やっかみ、孤独感、
「なぜあいつらはあんなに楽しげで、オレはこんななんだ?」など。
心の中の葛藤は、文章ではあらわせないし、私はその人ではないから無理だが、気持ちは分かる。
そして、ネットでの陰口だけでなく、夕士のリュックのひもを切るという実際の行動をだすようになった。
犯人は、クラスメイト。
千昌は友人の話をみんなにした。生まれつき身体が弱く、臓器移植をし、日々自分の身体と戦って死んだ友人の話を。
「周囲の気持ちはわかる、家族も友人らも好きだが、どうしても死にたい」
残された日記には、心の叫びがつづってあった。
やりたいこともできず、生きたい所へも行けず、明日があるかどうかもわからない自分の不遇を嘆き、死んでいった友人。それでも、最後まで病気と闘って逝った千昌の友人。
「説教するつもりはないが、みんなは健康だろう。やろうと思えばなんでもできる。どこへでも行ける。未来がある!」(概略)
くだんのクラスメイトもなんとか前を向こうと言う気にはなってきたようで、一応の一件落着だ。
詳しく書くと重くなるので今回は、このくらいにしておこうと思う。
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いろいろ悩み苦しむ青春時代。
つまづいても、転んでも、すべっても、立ちあがって、未来に向かって歩いていってほしいと思う。
無理はしないでいい。今の自分で出来る事を!と、たぶんこれは、私自身が自分に言い聞かせているんだと思える。
飛び立とう!
悩んだり、振り返ったりしても、前に向かって!
いつもどおりるり子さんのお弁当が美味しそうで困った
それにしても、文化祭のランチタイム。夕士持参のるり子さんの作ったお弁当がなんとも豪勢でカラフルで大量で・・・あれだけを作れるのはやはり人間でないからなのか?とか思いつつ、今回も食べてみたい欲求に襲われた(笑)
…このシーンは、深山先生によるビジュアルシーンを大いに期待して待っている!