妖怪アパートの幽雅な日常・小説1巻目のあらすじと感想は、通称妖怪アパート、正式名寿荘の大家さんに語っていただこうと思う。では、大家さん、あとはよろしく。m(__)m
Contents
彼は不動産屋の前田さんからの依頼だった
む、紹介御苦労ぢゃった。
こほん……では、あらためてぢゃな・・・
やぁ、やぁ、このサイトへ立ち寄ってくれてありがと~~~~。
わしが妖怪アパート、寿荘の大家の大家さんぢゃ。よろしくのぉ。
前田不動産のおやぢとは、長年のつきあいでのぉ、今度入室してくれることになった人間の男子(おのこ)が途方に暮れて腰掛けておったベンチのある公園の真向かいにある不動産屋でのぉ、普通の人間の目には写らない不動産屋なんぢゃ。
どういう人間になら見えるか気になるかの?
……それは、その新しい部屋子の男子(おのこ)のことを知れば分かるぢゃろうて。ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉ。
ともかくぢゃ、前田のおやぢは、その男子(おのこ)のことを気に行ったようでのぉ、自分の部屋をその男子(おのこ)に貸したわけなんぢゃ。
わしは、そ~~んな若い小僧には、到底耐えられんぢゃろうからと、ま、一応は意見を言うたんぢゃがの、おやぢは、その子ならきっと大丈夫ぢゃと太鼓判を押したんぢゃ。
ぢゃから、わしも…許可したんぢゃ。
ま、前田のおやぢには、空き部屋になったときに世話になるし、ムゲには断るわけにもいかんしのぉ。
ふぉっふぉっふぉっふぉっふぉ~~~~~~。
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稲葉夕士・高校一年
条東高校に入学したばかりのその男子(おのこ)の名前は、稲葉夕士(ゆうし)と言ってのぉ、中学のときに両親を失いずっと伯父の家に居候してたんだそうぢゃ。
よほど窮屈な想いをしたんぢゃろーのぉ、高校は寮があることと、商業学校ぢゃから、卒業後即社会人として独立できることが、条東商を選んだ理由だったらしいんぢゃ。
まだ幼いのに苦労したようぢゃて。
(ずず~~~っとお茶を飲む大家さん)
早々に逃げ帰るぢゃろうか?
普通人の入室者は久しぶりぢゃからのぉ、少し心配もしておったんぢゃ。
入室したその日、地下の温泉でわしを見るなり目を白くしてひっくり返りよったしのぉ・・・ま、わしがお辞儀をしたんで、つられてお辞儀をしてからひっくり返るという、なかなか愛嬌のある男子(おのこ)ぢゃて。
夕方ころあたりから妖しさが増してくる寿荘でのぉ、夕士もなんだかおかしいと思ってきておったようぢゃ。ぢゃが、真実人間の小説家の一色や画家の深瀬や、除霊師見習いの秋音ちゃんの存在があるからだからか、自分が感じてるおかしな感覚は見て見ぬふりしておったようぢゃのぉ。…最初はの。
決定的になったのが、わしとの地下洞窟温泉でのふぁーすとこんたくとでぢゃ。
ばーはっはっはっはっはっ!
じつに、愉快ぢゃった!
しかし、かかし、賄いのるりるり(るり子)が手首だけのお化けだと分かっても弁当は平らげて来よったし・・・(分かった時はぶっ倒れたが)、うむ、縁ぢゃのぉ、今回も。
わしは、大歓迎ぢゃ。
…家賃の滞納は許さんがのぉ・・・ふぉっふぉっふぉ!
(2巻目でなんと居留守を使ってわしを出し抜こうとしよったが、わしにそんな小手先の居留守が通じるわけないんぢゃわい!二度とせんようた~~っぷりと説教してやったわい)
ともかくぢゃ・・なかなかに元気のよい、そして、なかなかに見込みのある男子(おのこ)ぢゃわい。
ぢゃあのぉ、一旦退場するとするんでのぉ、後はよろしくのぉ。
ふぁ~っふぁっふぁっふぁっふぁ!
(のたのたと大家は退場…しようとして、ふいにくるっと向きを変えて戻ってくる)
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妖怪アパートの幽雅な日常①、ざっとあらすじ
あとから詳しく他の住人などが話すぢゃろうが、まずはわしがざっとあらすじを言っておこうかいのぉ。
ま、妖怪アパートの幽雅な日常①は、いわゆる、高校生・夕士の非なる世界への第一歩、プロローグといったところぢゃ。
妖怪アパートの幽雅な日常①…夕士
ちらっとすでに説明したが、稲葉夕士・条東商1年に入学したばかりの男子(おのこ)ぢゃ。両親は既に他界。伯父の家に身を寄せ、肩身の狭い思いをしておった為、高校の寮を希望しておった。
ぢゃが、その寮が火事で焼けおちてしまってのぉ、立て直されて寮に入れるのは半年後。伯父の家にはもう1日たりとも居たくなかった夕士は、アパートを捜したんぢゃが、子ども扱いされて普通の不動産屋では門前払い同様。
途方に暮れていたところで、前田不動産のおやぢを通してわしのアパートへ入室することになったんぢゃ。
幼いころからの親友に長谷泉貴という出来の良い男子(おのこ)がいるらしい。中学卒業のときには、2人で思い切り殴り合ったんだそうぢゃ。……ふぁっふぁっふぁ、青春しとるのぉ。
ちなみに、伯父も伯母も良い人でな、夕士を邪険にするようなこともなかったようぢゃ。ぢゃが、歳の近い一人娘の恵理子は、どうも夕士を毛嫌いしておったらしい。ま、いろいろあったんぢゃろう。
妖怪アパートの幽雅な日常①…寿荘
寿荘とは、わしが管理しておるアパートの正式名称ぢゃ。妖怪アパート、妖アパで通っておるから忘れられがちな名ぢゃが、良い名ぢゃろ?
人間も妖怪も幽霊も、ありとあらゆる存在が仲良く幸せに暮らせるようにとの意味、非なる者たちをつなげるという意味合いで、”寿”とつけたとかなんとか…ぢゃったかいのぉ?
忘れてしもおたわい。
ともかくぢゃ、自分で言うのもなんぢゃが、レトロチックで良いアパートぢゃぞ。
部屋は、バス・トイレ・キッチン付きではないがのぉ、地下には天然温泉、おいしいご飯を作ってくれる賄いさん付きぢゃ。文句はあるまいて。しかも家賃も安いときておる!言う事なしぢゃろ?!ん?
妖怪アパートの幽雅な日常①…妖怪アパートの住人たち
また詳しく話すとするが、今は簡単に紹介させてもらおう…というよりも、こっちを見ておいてくれんか?すまんのぉ。
そうぢゃ、そうぢゃ、夕士が2日目の朝、いきなりはっきりとした霊的現象と遭遇した事件は、秋音ちゃんが夜勤から帰ってきたときぢゃった。
首なしの男の霊が、秋音ちゃんを追いかけてきてのぉ、ま、除霊師としての力があるから、簡単に秋音ちゃんに滅せられたがのぉ。ふぉっふぉっふぉ。
びっくりしたぢゃろうて。
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それから、同級生の竹中とか言ったかのぉ。不調の仲間に入ってしまっての、寿荘に柄の悪いそやつらとやってきたんぢゃ。
そいつらに、夕士もいっちょまえの啖呵を切っておった。「覚悟して不良してるのか?」は良かったわい。両親のいない夕士には不良しているどころではないからのぉ。
ぢゃが、1対多。殺られそうなところを、ちょうど帰ってきた画家の深瀬が助けたんぢゃが、それに加えて、衝立の向こうの暗がりでいつもマージャンをやっておる鬼たちが加勢に玄関口に出てきたんぢゃ。
無愛想で強面…は、鬼ぢゃから当然なんぢゃが、夕士がここにおるみんなを仲間と思ってくれておるということは、その仲間の鬼たちにとっても夕士は仲間ぢゃからの、いや、すでに夕士はこのアパート全体の仲間ぢゃから、あやつら(鬼たち)も加勢に出てきたわけぢゃ。
ほんに、良きかな、良きかな。
妖怪アパートの幽雅な日常①…クリとシロ
寿荘には、クリという2歳前後の幼子(幽霊)とそのクリの母親変わりのシロという犬(幽霊)がおるんぢゃが、なんとも気の毒な子でのぉ…
クリは、母親に虐待されて育ったんぢゃ。全くクリの世話そしない母親の代わりに、栗の面倒を見ていたのが白犬のシロだったんぢゃ。
最後には、ヒステリーを起こした母親に殺されたんぢゃが、その場面を見てシロは母親をかみ殺してのぉ…人間に殴り殺されたんぢゃ。
幽霊となったクリを悪鬼となった母親の霊が追いかけてくるという、それはそれは恐ろしい状況になっての、シロはそんなクリを背に乗せ、犬族の神、大神様のところに逃げ落ちていったんぢゃ。大神は魂まで母親の念でけがれてしまっておるクリを滅しようとしたのぢゃが、茜という霊獣、つまりはオオカミぢゃが、彼女に助けられたんぢゃ。
そして、いつ来るか分からぬが、時折クリを探して寿荘にやってくるその母親の歯牙からクリを守る為、母親の念を察知すると寿荘にやってきてクリを守ってくれるんぢゃ。
夕士も寿荘に来てそうそう、そんな場面に遭遇してな……いろいろ考えることがあったようぢゃ。
妖怪アパートの幽雅な日常①…こっち側
条東商の寮が焼けてから半年後。新しい寮が立ち、夕士は予定通り寿荘を引き払い入寮したんぢゃ。
立ち去るとき、なんとも寂しげで、「霊能者である龍殿の毛のペンダント」を骨董屋から選別にもらって喜んでおった。
こっち側、つまり、人間にとって普通の世界。夕士が寿荘へ来るまで知っていたごくごく普通の人間の暮らしでの出来事ぢゃな。
意思疎通がうまくいかず、夕士はホームシックならぬ妖アパシックになったということぢゃ。やはり縁があったということなんぢゃろうのぉ。本物の縁が。
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妖怪アパートの幽雅な日常①…ただいまと言える場所
そして、寿荘に間借りでなく、正式な入居者として再び引っ越してきた夕士。
「お帰りなさい」と玄関先におる華子も夕士を出迎えておった。衝立の置くの鬼どもも、その無愛想な顔立ちとすごみからは到底判断できないぢゃろうが、夕士の帰りを歓迎しておった。
もちろん、わしも、そしてほかの入居者たち…人間も妖かしも関係なくのぉ。
特にクリは嬉しそうぢゃった。子供通しやはり何か通じるものがあるんぢゃろう。
ということで、ざっと妖怪アパートの幽雅な日常①(第一巻)のあらすじのあらすじを語らせてもらった。
詳しくはまた他の住人の口から語られるぢゃろうが、その前に聞きたいことや、なにか話したいことがあったら、この記事のコメント欄に書いてくれるかのぉ。よろしくの♪
ふぁ~~っふぁっふぁっふぁ~~~!!
(笑い声を響かせて、もっそり歩調で大家、今度こそ確かに退場。)