妖アパ・コミックのあらすじ

妖怪アパートの幽雅な日常・コミック1、寮全焼は妖怪アパートへの招待状

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妖怪アパートの幽雅な日常、惚れこんでしまった小説。そのコミックが出るというので勿論買い始めたのは言うまでもない。

小説も読みやすく、時間のたつ事も忘れて読みふけってしまうのだが、コミックだとまたまたテンポよくいくらでも見れてしまう。

小説のキャラが実にリアルにコミカルに、そして真摯に、そこに生きている。

ということで、小説のあらすじを書いたので、コミックのあらすじも少し感想を添えて描いていこうと思った。お付き合い願えればこの上なくうれしい。

Contents

妖怪アパートの幽雅な日常・コミック1、 あらすじと感想

一言で言うと、両親が亡くなったことで心を閉ざし、警戒心あらわな目つきの悪い表情の、人付き合いの悪い少年が、ドタバタめちゃくちゃな妖怪アパとの住人との触れ合いで、心身ともにほぐされ、心も軽く柔らかく、表情も柔らかくいい顔になってくる…といったところが第一巻のあらすじと感想だ。

まとめれば、『寮全焼は妖怪アパートへの招待状』

燃え尽きてしまった待望の高校寮

何が悪いって、誰も悪くはない。しかし、伯父の家は居心地が悪い。特に1歳上の従姉の恵理子は、夕士を目の敵にしている。

つまりは、いきなり家に転げこんできた男の子。ちょうど思春期ということもあり、歳の近い夕士を受け入れるにも抵抗があったのだろうが、一人っ子で大切に育てられてきた感じの恵理子。

両親を亡くして引き取ったということもあり、同情の余地はやまほどある。

おそらく…なのだが、恵理子は、それまで自分だけに向けられてきた自分の両親の愛情を、親を亡くした気の毒な夕士に取られるのではないだろうか、と自覚はしなかったが、そんな気持ちが湧きあがっていたのではないだろうか。

そんな気がする。

そして、そんな居心地の悪い家をなんとか少しでも早く出ようと画策している夕士は、ビジネスにおける専門科目を学習できて、卒業と同時にエリートサラリーマンコースに乗って独立、+その前も寮があるから、伯父の家を出られる。

そんな各策をたて、商業高校を受験。見事に合格して春から入学、入寮という予定になっていたのだが………

全焼………

家を出る頼みの綱が・・・全焼・・・・・・

「仕方ない、伯父の家から通学か・・・・」

と、すませられる心境の夕士ではなかった!

冷たい不動産屋さんたちに感謝すべきだろう

しかし、普通そうだろう。安いところで相場が1月5万円というところ、予算が2万5千円。しかも両親がいない為、保証人も無し。

普通、どこの不動産屋へ行っても門前払い、は、ないが、受付払いだろう。

しかし、そこで、夕士には、救いの手があった!

どこにも借りられる部屋が見つからず、公園のベンチに一人座って茫然としている夕士に、一人の男の子(の霊)が、ささやく。

「あそこの不動産屋さんへ行ってみるといいよ」

『前田不動産』、そうそここそが夕士の一生を左右する歯車が大きく動きはじめる糸口だったのだ!

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「出るんだな、これが」

前田不動産の主人が、寮が出来上がるまでなら、自分の部屋を貸してあげよう。そうすれば敷金もいらないし、家賃も2万でいい、と言ったその言葉に飛び付く夕士。

その安さに、「何かあるんじゃないか?」と聞いた夕士への答えがこれだが、「本当に?」と聞けば「さあ?」ととぼける不動産屋。

なかなかの食わせ物である。

ともかく、夕士はこうして妖怪アパート、正式名”寿荘”に入るわけだが、いきなりから、怪しげなことばかり。

もっとも、それらに出くわす前に、憧れの小説家である一色さんとか、明るい秋音ちゃんに出会っているから、恐怖におののきながらもなんとか過ごせたのだと思う。

伯父の家に帰るよりはマシ。ここは我慢のしどころというわけだ。

コミック1で夕士が出会った人物とハプニング

まずは、入室した日の夜、アパート地下の岩風呂(これ自体が信じられない)で、出会った大家さん。

まったく、大家さんも酔狂だ。普通に挨拶すれば貴ぐるみ?と思わなくもないものを、夕士を脅すとは(笑)。ここは、コミックだからこそインパクトがある気がする。

そして、入室翌朝。秋音ちゃんを追いかけてきてしまった首の無い血だらけの男の霊魂。秋音ちゃんの除霊術で、一瞬のうちに消されてしまったが。

夕士の霊力開眼?事故にあったクラスメイトの田代嬢を助ける

そう、オートバイにはねられてしまった田代嬢。
その直前、イヤな感じを受けたモノの、それが何なのか分からず通り過ぎてから起きたハプニング!

「痛いよ、助けて、稲葉くん!」

慌てて駆け寄った夕士に叫ぶ田代嬢。
思わず怪我をした彼女の手をにぎりしめると……なんだか良くないもの、彼女のダメージがじわじわと浮き出てきて夕士の体内に移動してくる。手を伝わり、ジンジンと。そして、夕士は貧血を覚える。

そこへ運よく秋音ちゃん登場。
「がんばったね、夕士クン。今それを外に逃がすから」

そう言って夕士に軽く手をあてると、夕士の体はすうっと軽くなった。

救急車で運ばれていった田代嬢を見送ってからアパートに帰り、るり子さんのごちそうに生き返った気分のなる夕士。その夕士についさっきあった事故の事を説明する秋音ちゃん。

「夕士クンが助けたんだよ。」

怪我人を見るたびにそんなことになるのか?と心配げな夕士に、単なる偶然だから、田代嬢とシンクロしただけだからと説明する秋音ちゃん。

さすが霊能力師(修行中でもすごい!)

お見舞いに行けば、そういう事情は知らなくてもどこか何かを感じているような田代。

「痛くて痛くて死んじゃうかと思った。稲葉君を見たらす~っと良くなった(概略)」

そして、このことがきっかけで、田代嬢と夕士との繋がりは強くなり、2人は恋人に……は、絶対無く、(傍からは付き合っているように見えたらしいが)、腐れ縁というか、夕士は田代嬢にとっては、格好のからかいネタになるという縁ができたわけだ。

しかし、情報通の田代嬢が、なぜ夕士と妖怪アパートのことに気付かなかったのか……不思議ではあるが、その点は、”なんとなく”という気が、田代嬢にそっちの方の調査をさせなかったのかもしれない。

幽霊の少年、クリと白犬のシロ。

そしてそのクリを追いかけてくる母親の霊。

虐待が極限にまで達してクリを殺してしまった母親。そのクリを守ろうと、母親をかみ殺して、人間に殴り殺されたシロ。

死んでもクリを虐待しようと追いかけてくる母親の手からクリを守ろうと、山神のところへクリを背に乗せて逃げ込んだシロ。

そこで出会った茜という山神に使える霊獣。自分の子供を亡くしたばかりの彼女は、すでに穢れているからと滅しようとした山神を止めて、クリの母親代わりになったわけだ。

だが、山に置いておくことは山神から許可が下りなかった為、茜はクリとシロを妖怪アパート、寿荘に預けたというわけだ。ここなら人間や妖怪など、いろんな者たちとの交流がある。心を閉ざしてしまったクリの魂にとっては、他にない良い環境だからだ。魂の糧となるような。

だが、母親の霊はここまでクリを追いかけてくる。

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その折、クリを守る為に茜は山を下りてやってきて、母親の怨霊と対峙するわけなのだ。

一連の展開を見学していた夕士は、全てが終わった後、その母親とクリのことを考えていて、つい涙してしまう。

両親の死に負けるものかと、おそらくそれまで我慢していた、自分の中に封じていただろう心の叫びも重なって、茜ちゃんの膝の上で。

画家の深瀬にお姫様だっこで自室につれていって寝かしつけてもらったことを知って、翌朝、一人恥ずかしさに転げまわるのだが、妖怪アパートの住人が、そんな事を気にするはずもない。

パフォーマンス画家の深瀬の愛犬、シガーにも気に入られ、賄いのるり子さんやその他大勢のアパートのみんなにも受け入れられ、夕士の新しい人生の幕は、ここに切って落とされたわけである。

そして、妖怪アパートの幽雅な日常、コミック1巻の最後に、高校でのクラスメイト、不良に走った竹中の訪問で終わる。

安っぽい酒瓶を下げた不良仲間を引き連れての訪問だ。

さて、竹中の訪問はどう展開するのか?次の記事でまた紹介&感想を述べたいと思う。

夕士の表情の違いには目を見張るものがある

それにしても、気付いただろうか?

いや、妖怪アパート幽雅な日常のファンの一人でであるあなたなら、すでに気付いているだろうが、コミック第一巻の最初の中学卒業式のときの、三白眼の夕士の表情と、最後の頃の夕士のほぐれたいろんな表情。

コミックだからこその表現。ビジュアルとなって飛び込んでくるこの違いは、小説だとつい流してしまうことも、はっきりと認識してくれる美味しさがある。

(竹中の訪問時には、目つきが悪くなっているが)

小説とコミック、2度美味しい妖怪アパートの幽雅な日常。本当に何度でも楽しめる。作品を生み出してくれた香月氏、そして、深山氏に感謝だ。

そして、ここまで読んでくれたあなたにも心から感謝を申し上げる。
ありがとう!!

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感想(14件)

>>>妖怪アパート幽雅な日常(妖アパ)・コミック2巻のあらすじと感想につづく

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