SF・スペースファンタジー・SOS!・その3・バナナ星人の実験

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SF・スペースファンタジー・SOS!

このお話は宇宙船ラーミア号に乗った見習ナース、サーヤのお話です。
その2はこちらからご覧いただけます。(お話の最初はこちらからどうぞ

SF・スペースファンタジー・SOS!・その2・バナナ星人とオレンジ星人

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その3・バナナ星人の希望の星

「な、なんだってんだ?急に?」

「ど、どうしたの?」

つい先ほどまでの友好的な雰囲気は何処へやら。
バナナたちはらんらんと目を輝かせながら2人を取り囲んだ。

「サーヤ、どうやら逃げた方がよさそうだぜ?」
ニムルがサーヤに目配せする。

「うん!」

ただならぬ気配を感じていたサーヤも、そのつもりだった。
このくらいの囲みなら抜ける事はできる!

2人は回りを取り囲んだバナナたちを蹴散らし、そこから逃げる事にした。

だいたい大きさが違うのだ、簡単に振り払う事が出来た2人は船に戻ろうと走りかけた。

と、その時、船の方向から1人のバナナが駆けてきて、何やら老バナナに手渡す。

老バナナはにやっと笑うと手にした物を2人に向けた。

「待ちたまえ。」

-ビビビビビ!-

逃げかけた2人の間をレーザー光線が横切り、その先の木に命中し、それは一瞬にして消滅した。

「な、なんだって?」

確か武器らしき武器は持っていなかったはずだ、と老バナナを振り返った2人は釘付けになった。
その手にあったのは船のキャビネットに入っていたはずのレーザー銃。

「な・・・そ、それは、私たちの。」

2人は焦った。
どうやら、ここで大騒ぎしていた間に仲間が偵察に行っていたらしい。

「こんないい物がこの世にあるとは。
これでオーレンジ国だけでなく、この大陸以外の国も支配下にすることができるというものじゃ。ふぉっふぉっふぉ!」

不敵な笑いを浮かべレーザーのボタンに指を充てながら言う。

「い、いつの間に?」

その狡猾さに呆れている2人を、老バナナの合図で他のバナナたちが縛り上げる。

「連れて行け!」

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実験台

2人は縛られたまま草原を通り越し谷を渡り、彼らの寺院らしい石造りの建物の中の一室へと連れてこられた。

礼拝堂のような広い部屋の中央にある大きな円形の台の上に、2人は並んで寝かされた。

「ど、どうしようってんだ?」
さすがのニムルも緊張しているようだった。

「こんないい武器とそして実験動物。最高じゃ。」
老バナナは嬉しそうにレーザー銃を見ていた。

「な、何よ?どうするつもりなの?」
サーヤは老バナナをぎっと睨み付けた。

「おやおや、そんなに怖い顔をしなくても。
ただわしらバナーナ人の未来を明るくする為に、お前さん方の生殖機能や方法を研究するだけなんじゃ。
オーレンジ人たちはこれ以上研究しても仕方ないからの。
あの一度に複数の子供をという事はどうしてもバナーナ人には無理のようなのじゃ。
その点、お前さん達は一度に1人のようじゃから、なんとかそれをわしらに応用できないものかと、の。」

「そ、そんな事、絶対無理よっ!」
サーヤは叫んだ。バナナと人間とでは違いすぎる。

老はその冷たい表情にぞっとするような笑みを浮かべて言った。

「やってみなくては分からんよ。
何事も実験あるのみじゃ。ふぉっふぉっふぉっ!」

「卑怯物!ろくでなし!この・・くさったバナナ野郎っ!」

サーヤは思いのたけ罵ったが、老バナナは気にも止めず、涼しい顔をしていた。

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「さてと・・男と女に別れ、その結合によって子孫を作るなどという、変わった種族は見たことがない。
どのようになっておるか、じっくりと見させてもらおうかの。」

老バナナが壁のボタンを押すと、ガタンと音がし、2人を乗せた台が少しずつ下りていった。

そこは薄暗い地下室。
どうやら実験室のようだった。
部屋の周囲には標本となったオーレンジ人のホルモン漬けがずらっと並んでいる。

その名前の通り直径80センチくらいの大きさのオレンジの側面一杯に顔がある。

小枝を思わせるこげ茶の細い腕、それとその丸い身体を支える為、像の足を思わせる太い足がそれぞれ2本。

が、ある者は上から半分に、ある者は真横半分に切られている。
中には丁度オレンジの実のようなその赤ん坊だけのもあった。

台の上に縛りつけられた2人はどうすることも出来ない。
明かりがつき、震えるサーヤの視野に、老バナナの手が延びてくるのが見えた。

「んー・・んーっ!」

麻酔薬を含ませた布が彼女の口と鼻を塞ぎ、サーヤはどうする術もなく眠りに落ちていった。

 

その4へつづく

SF・スペースファンタジー・SOS!・その4(完)・意外な結末

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