SFスペースファンタジー「星々の輝き」25・危ない依頼?

投稿日:

SFスペースファンタジー、スペースローグ「星々の輝き」INDEXはこちら

デネブ星系に来たニーナは、いつもどおりマップ内に隠された航海日誌から、船の前の持ち主がファーアームの統治を皇帝から任されていることにしたアベンスター公妃と関係があることを知り、彼女に会おうとデネブプライムスターベースにある公妃の住居地へと向かう。

が、あっさりガードマンに放り出されてしまう。
しかたがないので、これもまたいつもどおり、酒場で情報収集を始めていた。

スペースローグ・星々の輝き、前の話はこちらから

SFスペースファンタジー「星々の輝き」25・危ない依頼?

「こんにちは。私はフェルセーン博士です。」

デネブプライムスターベースの酒場。
バーの主人との話が一段落したときに、ニーナに話しかけてきた女性がいた。

「こ、こんにちは。ニーナです。」
ニーナは差し出されてきた彼女と握手をしながら名前を告げる。

「私は大学でエイリアン人類学を教えています。
あなたはスターパイロットですか?」

「そうです、貿易商をしています。」

「もし可能でしたら、お願いしたいことがあるんですが。」

「なんでしょう?私にできることでしすか?」

「今、私は、シシャザーンという知的な巨大爬虫類の種についての研究を進めているのです。
もう遥か大昔に絶えてしまったとされていたのですが、噂によると、シシャザーン・・私たちは略してとシシャ言ってますが、そのシシャが、ナーシー星系に今も生き残っているらしいのです。
できればシシャを探してもらって、その行動についての実験をしてもらえないかしらと思って。」

彼女は祈るような目つきでじっとニーナを見つめている。

(シシャ?……支社・・・試射・・・試写・・・支社?・・・死者?)
頭の中で勝手に連想ゲームをしているニーナは、なんとなくあまり良くない予感。

「単なる種族名の略称です。意味はありません。いえ、あるのかもしれませんが・・」

(しまった!つまらない連想しているのがバレバレ?)

「シシャはかなり乱暴な種なのです。」

「え?乱暴って?まさか・・・バスルチの怪物みたいってことは?」

「いいえ、決してそのような知能のない下等動物ではありません。
シシャは高度な教養を持つ知的生物なのですから。」

「知的生物ですか……」

「現在は、です。」

「は、はあ……」

「調査してきていただければ、遺跡調査で手に入れた滅多に手に入れることのできないマリーの工芸品をお礼として差し上げます。」

スポンサーリンク

「うーーん・・・
(その工芸品がどんなものか知らないけど、調査も息詰まってるし。いいか、どうせ公妃様に会えないんだから。)
OK、引き受けてもいいよ。」

他で情報を仕入れる必要もあると思ったニーナは、彼女の頼みを引き受けることにした。
どうせ他の星系に行くのなら、手ぶらで行くより目的があった方がいい。

「ありがとうございます!では、シシャを見つけたら、お酒をおごると持ちかけて下さい。
そして、数杯呑んだ後、シシャを侮辱する言葉を言ってみて下さい。
それは、『ラグビット』という言葉です。
そして、その時の反応をよく見てきてください。
細かい事まで全部。ただ、シシャの牙には十分気を付けて下さい。」

「牙?」
ニーナはぎょっとして聞いた。

「ええ、元は牙を持った爬虫類なんです。
彼らの精神的進化が、私の研究の課題なのです。
『ラグビット』は、彼らがまだ知能を持たなかった頃の呼び名なのです。」

ニーナと一緒に食事を取りながら、シシャなる生物に関する話を一席ぶつと、彼女は講義があるとかで、ニーナに念を押して出ていった。

「研究の課題なら自分で行けばいいのに。
でも・・・引き受けちゃった以上、するしかないよね。」

頼んでいるわりには、高飛車な感じがあり、どことなくニーナは気に入らなかった。
が、今のところ、公妃に会えるつてもなく、他にすることもないので、ナーシー星系には行くことにした。

「でも、その前にロスへ行って、航海日誌に書いてあった整形外科医がロスの医師かどうか確かめないと。
もしそうなら、船の持ち主の事が何か少しは分かるかもしれない。
公妃様と会える口実も見つかるかもしれないし。」

船に戻るとニーナは、デネブプライムのデータライブラリーにアクセスして、「シシャ」と「マリーの工芸品」に関する情報を調べてみた。

「うーーん、牙を持った知的な巨大爬虫類…博士以上の情報はないわねー。
実態が分かってないって……でも、巨大爬虫類ということは、ドラゴンとか太古の恐竜くらいしか思い当たらないんだけど……牙ねえ・・」

一抹の不安を感じないでもないが、やっぱり、興味があるのなら自分でナーシー星系まで行けばいいのに、と思うニーナだった。

(それに、侮辱する言葉って…怒らせてその怒りを抑えられる理性があるかどうかの実験ってこと?
それって、その人に対してすごく失礼なことなんじゃないの?)

「学術的な調査だかなんだかしらないけど、変なことを引き受けてしまったけど、でも、報酬のマリーの工芸品は魅力なんだよね、めったにお目にかかれないからきっと高く売れるぞ♪
…ただ、どのていどの工芸品かが問題だけど。遺跡調査って、”かけら”じゃないよねえ?」

儲けているようで、その実儲かっていないニーナ。
そう、その支出のほとんどが、船の修理代。
生きていくためには、そして謎を解き、プリンセス・ブルー号のみんなの仇を取るためには、できる仕事は多少危なくてもやらなくちゃ進まない。

生か死か、ファーアームは今日じゃが生き残る開拓空間なのだから。

 

>>>SF・スペースファンタジー・星々の輝き・SpaceRogue-26-につづく

SFスペースファンタジー「星々の輝き」26・アンドロイドの恋

SFスペースファンタジー、スペースローグ「星々の輝き」INDEXはこちら デネブ星系に来たニーナは、いつもどおり酒場で情報収集後、航海日誌に書かれてあった整形外科医が誰なのかを突き止めるため、ひとまず ...

続きを見る

-SFファンタジー・星々の輝き

Copyright© SFスペースファンタジー小説の棚 , 2018 AllRights Reserved.