SFスペースファンタジー「星々の輝き」22・航海日誌発見!

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グリフォン星系にある採掘ステーションで知り合ったオマス牧師。
彼から奥さんの捜索を引き受けると、次なる星系へと向かうことにした。
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今回もニーナはヒアスラからの荷を降ろすと、マシューと共にオマス牧師の所にやってきた。
なんだかんだ言っていてもマシューもちょくちょく来ているらしい。

「坑道に潜ってばかりいるとよう、時々このまま、暗闇に吸い込まれちまうんじゃないか、って思っちまってよう、たまにゃー、牧師さんの話も聞いておかなくっちゃって思う時があるんだ。」

天涯孤独な彼もまた、ニーナと同じように、オマスに父親的存在を感じているのかもしれない。

オマス牧師からの捜索依頼

「こんにちは、オマス牧師!」
元気良く教会に入って行ったニーナを迎えたオマスは、その日なんとなく元気がなかった。

「牧師さんよう、どうしたんだい?」
マシューも不思議そうに顔を覗き込んだ。
その顔はいつになく険しく、そして悲しそうだった。

「ああ・・・君たちか・・・・。」
オマスはちらっと2人の顔を見ただけで、再びうなだれる。

「どうしたんですか?」
ニーナも慌ててオマスに駆け寄る。

「間違いだったんだよ!」
オマスの叫んだ声は絶望的な響きがあった。

「サイオニクスは、危険性をはらんだ道具だったのだ。
どうしてそんなことが分からなかったんだろう?
私は、彼らと一緒に自分の妻をなくしてしまった。」

彼は、頭をかきむしり、自分を罵った。

「奥さんをなくしたって?」
こんなオマスを見るのは、初めてだった。

「そう、彼女は、サイオニクスの師を見つけるために出かけていった。
それから何の連絡もないが、風の便りにブラックハンドに入っているということを聞いた。
もし、それが本当なら、私にとって、もはや、妻は死んだも同然だ。」

ブラックハンドとは、シギュア星系の拓殖基地、トローシャルに本部を置く、得体の知れない秘密結社だ。

なんでも、そのメンバーは、他人の心の中を読めるとか、そのマインド・コントロールは遠く離れている人にでもおよび、人を狂わせることもできる、とか、ニーナは、聞いたことがあった。

とにかく、恐ろしい殺人集団として、ファーアームでは知れ渡っている。

勿論、帝国側はそのような団体はないと否定してはいる。
が、ファーアーム内で起こった不可思議な殺人事件のほとんどは、ブラックハンドの手によるものだと、もっぱら評判なのである。

「何か、私にできることはありませんか?」

あまりにも落胆しているオマスにニーナには、そういう以外、他の言葉が見つからなかった。

ニーナは、オマスから彼の奥さんの立体写真を自分の手帳にコピーすると、彼女の捜索を約束した。

そしてマシューにオマスの事を頼み、グリフォン星系を後にする。
心当たりも自信も全くなかったが、そうせずにはいられなかった。

彼女は、一旦、カロノス星系のヒアスラに戻ると商品を仕入れ、再びグリフォンへ。

そして、今回は、オマスのいるステーションには立ち寄らず、次なるアークチュラス星系に繋がるマリーゲートに向かった。

オマスとの約束の為でもあったが、2つの星系を自動航行で往復しているうちに、ニーナは偶然、ジョリー・ロジャー号の前の持ち主の航海日誌を見つけたのだ。

それは、ナビゲーション・コントロールのスクリーン上のマップに、巧妙に隠されていた。

見つけたのは偶然。
自動航行中ニーナが暇を持て余してスクリーンに写っている航行中の星系内マップを片っ端からスキャンしていた時だった。

  • 隠されていた航海日誌。
  • ニーナが漂流中のこのジョリー・ロジャー号に乗り移っている間に、一瞬にしてマンチーに消滅させられた貨物船プリンセス・ブルー号。

破壊された理由は航海日誌にあるとニーナは判断した。

「そう、他の星系のマップはクエリーできないから、結局全星系に行ってみなくっちゃいけないのよね。」

謎を解き明かす為、少しでも情報を入手したい。
そして、そうするには、他の星系に行かなければならない。

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アークチュラス星系へ

アークチュラス星系には、小惑星『エイグハム』にマイコン社の第2採掘ステーションであるマイコン2と、輝ける法のシンボル、帝国の誇る航空母艦『ISSコス』が常駐している。

その呼称は、先の連星間戦争で帝国を勝利に導いた海軍提督の名前にちなんでつけられたものだ。

小惑星エイグハムの採掘ステーションにも、修理施設はない。
当然、修理は、コスでやってもらうことになる。

「別に悪いことはしてないけど・・あんまり気が進まないわよね。軍人さんって・・・。」

とは言うものの、同じ星系内で修理できるということはいいことだと、改めて思うニーナ。
それは星系関ジャンプでのアーマーダウンがほとんどの理由。
ワームホール内の航行技術は、まだまだらしい。

マイコン2では、鉱石が嘘みたいに安く仕入れることができる。

コスで修理をし、ハイテク商品を売って鉱石を仕入れ、それをカロノスへ、という予定をたてる。

「うん、これなら儲かりそうだよね?」

探索だけでは食べていけない。
商売もきっちりやって、生活費や船の修理代、仕入れ商品代を稼がなければならない。

もっとも、それには、2つのマリーゲートを通らなければならないというニーナに取って頭の痛いこともあった。

が、カロノスからデネブへ行くゲートを通るよりはずっと楽という点が、多少彼女の心配を軽くしてくれる。
カロノス星系からデネブ星系は、なんと言っても距離が遠すぎた。

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小惑星地帯のマリーゲート

そして、アークチュラスに繋がっているマリーゲート近くのNスペースに出てみれば・・・

「な・・何?・・・一応情報はゲットしてたけど・・こんなに酷いの?」

自動航行からNスペースへ出た瞬間、ニーナは目を見張った・・・。

そう、そのマリーゲートは、小惑星地帯のど真ん中。

「し、小惑星・・粉々に砕かれた巨大な岩石の集団じゃないのぉ?!
・・早いとこマリーゲートに入っちゃわなきゃ、船がぼこぼこになって穴が開いちゃう!」

極力衝突を避けるように注意を払っているとはいうものの、グシーン!ドスン!とシールドに当たる音やその振動に青くなりながら、ニーナはいつになく焦り気味で操縦していた。

マリーゲートに入るための最低限のスピードは維持しなくてはならない、そして、入った瞬間スピードをダウンしてワームホールのコースから外れないようにしなければならない。

「ふっふっふ…上等じゃない!やってやろうじゃないのっ!」

飛んでくる宇宙のがれきを避けてばかりいると、とてもではないがゲートに入れそうもない。

こうなったら度胸あるのみ!
ニーナは、シールドが破壊されないことを祈りつつ、マリーゲートに向けて一直線に突き進んだ。

 

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