創世の竪琴・番外編【闇の紫玉】INDEX

【創世の竪琴】に登場する黒の魔導師(闇王)ゼノーの物語です。

紫の瞳を持って生まれたばかりに、周囲から疎まれ、幼くして放浪し逃げまどうゼノーとリーの双子の兄弟。

迫害されて窮地に陥ったゼノーを暖かく迎えたのが、もしも魔族でなかったのならば、物語はどうなっていたのだろう?

【創世の竪琴】番外編【闇の紫玉】INDEX

 そは黄金の太陽神ラーゼスと銀の月神ディーゼによりて造られし世界。

その雄々しい男神の耳を飾るは黄金の長剣と竪琴。
そして美しき女神の耳にあるは銀の竪琴と剣の耳飾り。

それは、それこそが、その夫婦神の武具、世界を創世し耳飾り。

その長剣持ち、混沌の闇を、魔に潜む輩を払い、赤、青、緑の三色の光放つ竪琴もて世界を創りたもう。

夫婦神は、世界とそこに住まう全てを心より慈しみ、男神は、時に厳しく、時に暖かく、その光にてくまなく照らし、女神はその微笑みのごとく、優しさと静寂で世界を包み込んでいた。

時は流れ、・・神の世は終わり、おごり高ぶった人々は創世神を忘れ去っていく。

嘆く夫婦神はその姿を隠し、代わって、闇王が現れる。

闇王・・それは、男神ラーゼスの負の心。
絶対神となるべく、自ら捨て去った心の半身・・。
絶対的な闇の力を有する者。闇の支配者。

その人の世を揺るがすかに見えた闇の恐怖と混沌。

人の世は、1人の姫巫女により闇の支配を免れ、人々は彼女を通して神の心を垣間見、感謝の心を取り戻す。

が、時は繰り返し、人は繰り返す。
平和な時が忘却を呼ぶ。

その忘却の片隅に病んだ闇の世界があった。
主を失った闇世界の崩壊。

ゆうるりと流れる時の中、闇はその痛みをやわらげてくれるであろう人物を捜し求め、静かにうごめいていた

母を求めて

闇の紫玉/その1・運命の双子ゼノーとリー

【創世の竪琴】に登場する黒の魔導師ゼノーの物語です。 紫の瞳を持って生まれたばかりに、周囲から疎まれ、幼くして放浪し逃げまどうゼノーとリーの双子の兄弟。 ゼノーは、生まれながらにして闇に所属する魔族で ...

闇の紫玉/その2・動き始めた運命の歯車

荒野の一軒家で、母親と双子の少年3人は、それはそれはほほえましいほど仲良く暮らしていた。 だが、とある事件がきっかけで、なぜ父親から疎まれ荒野に捨て置かれているのかを知り、恐怖心から双子への愛情に亀裂 ...

闇の紫玉/その3・幼き二人旅

村人の狂気が荒野の一軒家を襲撃する。 母親の窮地を助けようと無意識に少年ゼノーが発した気は、ただごとではなかった。 恐怖に追い散った村人は逃げ返り、なんとか助けた母親も自分は実の母親ではないと恐怖で固 ...

闇の紫玉/その4・旅の終着点、母のいるソマー城

母親(と信じていた女性)から拒絶された双子は、その絶望感中、ほんのわずか残っていた希望を求め、実の母親のいるソマー城へと向かう。 その途中、母子狼とひょんなことから仲良くなった双子は、狼のおかげで一気 ...

消え去った希望

闇の紫玉/その5・消え去った希望

リーが兄を連れ来ると言って城を出て行った後、1人考え込む老婆。 「リー」という名が心に、記憶の片隅にひっかかる。 そして、ふとその名前に思い当たる記憶がよみがえる、恐怖とともに。 闇の紫玉その5・消え ...

闇の紫玉/その6・逃亡生活の中の少女との出会い

狂気に染まった実の母親と乳母からの拒絶。 寄る辺を失った双子は、ともかくそこを離れるしかない。 「どこへ?」……答えてくれる人はどこにもいない。 闇の紫玉、その6・逃亡生活の中の少女との出会い このペ ...

闇の紫玉/その7・ひとときの穏やかな日々

少女がくれた薬草とビスケットを手に持ち、急ぎゼノーが待つ洞窟へと山道を急ぐリーを野生の狼が襲わんとしていた。 その窮地を救ったのは、他ならぬともに旅をしてきた母狼 リーは助かり、ゼノーも徐々に回復する ...

闇の紫玉/その8・狂気の狩人

リーに会いに来る途中、村の少女シャンナは運悪く狼に襲われその命を落とす。 その無残に食い散らかされたシャンナの残骸を発見した村人は、彼女の日記から双子につながる少年のことを知り、狼におそわせたのが悪魔 ...

分かたれた道

闇の紫玉/その9・分かたれた道

「逃げろ、リー!」 鬼の形相で迫り来る村人たちを目の前に、兄、ゼノーを1人にしちゃダメだと思いつつ、恐怖に負けてその場から逃げ去るリー。 見送るゼノー。 弟のリーだけ助かるだろうことにほっとする気持ち ...

闇の紫玉/その10・悪夢からの目覚め

ワナに足を取られ、1人残ったゼノーを村人の狂気が襲う。 そこには理性を失った人間の怖さ、醜さだけがあった。 注意:このページでは残虐シーンの描写があります。 このページを飛ばしてお読みいただくことも、 ...

闇の紫玉/その11・闇世界の浮遊城

シャンナの仇だと狂気に支配された村人の手にかかって命を落とした…ように見えたゼノー。 そのゼノーをやさしく抱き留めた闇の手があった。 人間ではないその手の主、ねじれた角を持つ異形の闇の住人は、ゼノーを ...

闇王への道

闇の紫玉/その12・闇王への道

闇王となり、崩壊に向かう闇世界の救助をと求められるゼノー。 闇世界だとて住人は人間界と同じように生きている。 その闇世界を救ってほしいと懇願されれば心は動く。 自分を排除した人間の世界と比べ、闇の世界 ...

闇の紫玉/その13・闇の巫女

ひとりぽっちになってしまったゼノーが闇の浮遊城で出会ったのは闇の巫女。 闇王がいなくなってたった1人で浮遊城に残っていた彼女は、時代の闇王となるゼノーを心から歓迎した。 闇の紫玉、その13・闇の巫女 ...

勇者こそ侵略者

闇の紫玉/その14・魔物ハンター

真の闇王となるべく魔界(闇世界)の探索を開始したゼノー。 そこには、魔界側からみれば異端の来訪者である人間がここの住人である魔物狩りを楽しんでいた。 闇の紫玉、その14・魔物ハンター このページは、異 ...

闇の紫玉/その15・気さくな闇世界の住人

人間にとらえられていたプチでビルとダークエルフを助けたあと、闇雲に進んだゼノーは、大木に住居を構えるダークホビットの村に着く。 闇の紫玉、その15・気さくな闇世界の住人 このページは、異世界スリップ冒 ...

闇の紫玉/その16・フェアリーの女王

ダークホビット村の酒場で、銀の玉を使ってテニスをしているフェアリーの姉妹のことを聞いて、そこへ向かうゼノー。 銀の玉は確かにゼノーが探しているムーンティア。 しかし、姉妹は大切なものだからあげられない ...

闇の紫玉/その17・自称勇者ご一行様

フェアリーの女王と出会い、ムーンティアも手に入れたゼノーは、そのムーンティアでテニスをしていたフェアリーの姉妹の案内で、闇世界第6層に降りた。 闇の紫玉、その17・自称勇者ご一行様 このページは、異世 ...

ダークエルフ国

闇の紫玉/その18・闇王、投獄される

闇世界第七層で出会ったフェアリーの姉妹の案内で、ゼノーは闇世界第6層に降りた。 闇の紫玉、その18・闇王、投獄される このページは、異世界スリップ冒険ファンタジー【創世の竪琴】の番外編【闇の紫玉(しぎ ...

闇の紫玉/その19・ダークエルフの姫君

闇世界第6層。誤解によりダークエルフの王にとらえられたゼノーだったが、その誤解も溶け、エルフの国の貴賓としてゼノーはしばらく滞在することになった。 闇の紫玉、その19・ダークエルフの姫君 このページは ...

闇の紫玉/その20・成人した姿でのバースデー

誤解がきっかけでダークエルフの国の貴賓客となったゼノー。 国王には、なにやら算段があるらしかった。 闇の紫玉、その20・成人した姿でのバースデー このページは、異世界スリップ冒険ファンタジー【創世の竪 ...

沼底に住む巨人グレンデル

闇の紫玉/その21・沼底に住む巨人グレンデル

沼底に住む巨人がムーンティアを持っているらしいと情報を得たゼノーは、見つかれば一緒に行くというだろうダークエルフの姫に内緒で城を出をその沼へ向かう。 闇の紫玉、その21・沼底に住む巨人グレンデル この ...

闇の紫玉/その22・巨人と力比べ

ムーンティアを持つという巨人グレンデルの住む沼にきたゼノー。 いくら呼んでも応答がないため、ゼノーは最終手段ともいえる闇の気をまとい、沼の中へ入ってみた。 闇の紫玉、その22・巨人と力比べ このページ ...

闇の紫玉/その23・ひとめぼれの2人

魔の気でみごと巨人グレンデルを沼から飛び出させたゼノー。 勢い余って空中に飛び出たグレンデルの巨体は、岸辺で待っていたダークエルフのモーラ姫の上に落下する。 闇の紫玉、その23・ひとめぼれの2人 この ...

半魚人の女王

闇の紫玉/その24・種の絶滅の危機

水中から第四層に入ったゼノー。 その水底に、巨人グレンデルからムーンティアをだまし取っていったヴォジャノーイ族の女性が住んでいるはずだった。 闇の紫玉、その24・種の絶滅の危機 このページは、異世界ス ...

闇の紫玉/その25・瀕死の女王

ヴォジャノーイ族の宮殿にたどり着くゼノー。 ムーンディアは確かにそこにあったが、一族の窮地を脱するため、今しばらく貸してほしいと言うヴォジャノーイ族の女王に会うことになった。 闇の紫玉、その25・瀕死 ...

魔法の遊園地

闇の紫玉/その26・遊園地で大はしゃぎ

ヴォジャノーイ族の女王に頼まれ、水鏡の道を通りゼノーを姿形だけでなく、本当の大人にしてくれるという世界樹のあるウルザルブルンの泉を目指した。 闇の紫玉、その26・遊園地で大はしゃぎ このページは、異世 ...

闇の紫玉/その27・成長の繭

ドワーフの遊園地で、思いっきり子供になって(子供心を取り戻して)遊び回ったゼノー。 その最後のミラーハウスの姿見には、生まれたばかりからの自分の姿が映っていた。 闇の紫玉、その27・成長の繭 このペー ...

遺跡に棲むモノ守るモノ

闇の紫玉/その28・黄金の砂漠

世界樹の女神の三姉妹による不思議な魔法で、心身ともに大人に成長したゼノーはさっそくヴォジャノーイ族の元へと移動した。 闇の紫玉、その28・黄金の砂漠 このページは、異世界スリップ冒険ファンタジー【創世 ...

闇の紫玉/その29・闇の遺跡を守るモノ

銀色の空と黄金色の砂地の砂漠エリア。 オアシスで復活させた半身蛇、半身女性のジイミアから、砂漠の遺跡を守るホル・エン・アケトの額にあると聞いたゼノーはさっそくそこに向かう。 闇の紫玉、その29・闇の遺 ...

闇の紫玉/その30・ミイラの願い

砂漠にある遺跡に入ったゼノー。 だが、内部は暗くしかも迷路。地下への入口さえ、なかなか見つかりそうもない。 どうしたものかと行き止まりの部屋にあったイスに腰を下ろして考え込んでいるゼノーの頭に一人の女 ...

闇の紫玉/その31・遺跡の神官

案内人を得て、地下へと進むことができたゼノー。 が、またしてもそこは迷路になっていた。どこを通っていったら遺跡の神官のところへたどり着けるのか全くわからない。 闇の紫玉、その31・遺跡の神官 このペー ...

闇王誕生

闇の紫玉/その32・太陽神のイヤリング

神官・エンキムラマッスの呪文により、闇王への道が開かれ、全身を包み込んだ光と共にゼノーは、神官の部屋から消えうせた。 闇の紫玉、その32・太陽神のイヤリング このページは、異世界スリップ冒険ファンタジ ...

闇の紫玉/その33・完全なる決別

太陽神殿で女神ディーゼから科せられた闇王となるべく試練を難なく終え、ゼノーは再び闇へと帰る。心地よい闇へと。 闇の紫玉、その33・完全なる決別 このページは、異世界スリップ冒険ファンタジー【創世の竪琴 ...

闇の紫玉/その34(完)・闇王誕生

肉親のきずなをも完全に断ち切ったゼノーは、ただひたすら自分を導いてくれる銀玉の後を追う。 闇の紫玉、その34(完)・闇王誕生 このページは、異世界スリップ冒険ファンタジー【創世の竪琴】の番外編【闇の紫 ...

更新日:

Copyright© 異世界スリップ冒険ファンタジー小説の書棚 , 2024 All Rights Reserved.