闇の紫玉

闇の紫玉/その29・闇の遺跡を守るモノ

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銀色の空と黄金色の砂地の砂漠エリア。
オアシスで復活させた半身蛇、半身女性のジイミアから、砂漠の遺跡を守るホル・エン・アケトの額にあると聞いたゼノーはさっそくそこに向かう。

闇の紫玉、その29・闇の遺跡を守るモノ

このページは、異世界スリップ冒険ファンタジー【創世の竪琴】の番外編【闇の紫玉(しぎょく)】のページです。
闇王となったゼノーのお話。お読みいただければ嬉しいです。
異世界スリップ冒険ファンタジー【創世の竪琴】の番外編【闇の紫玉(しぎょく)】、お話の最初からのINDEXはこちら

闇の遺跡を守るモノ

「どなたでしょうか?」
ゼノーがその前に立つと、目敏く見つけた彼女が言った。

「私は闇王、ゼノーです。
あなたが額に着けているムーンティアをもらい受けたくて参じました。」

「あなたが、闇王様。新しいこの世界の王。」
ホル・エン・アケトは、ゼノーをじっと見つめ、そして微笑んだ。

「よろしいでしょう。これはそもそも闇王様の物。
わたくしは、ここで新たなる闇王様を首を長くしてお待ちしていただけなのですから。
でも、すぐお渡しするわけにはいきません。」

「私のモノだとわかっていても?」

「はい、これはここでの理(ことわり)なのです。」

「そうですか、では、どうしたらいいのでしょう?」

「今からわたくしが出す謎かけに見事ご正解あそばせば、お渡し致しましょう。」

「謎かけ?」

「はい。」

「なるほどスフィンクスと言えば謎かけですからね」
ゼノーはルチアから読んでもらった本を思い出していた。

「では、さっそくお尋ね致します。
『朝は四本足、昼は二本足、晩は三本足で歩く者は何か?』
さあ、お答え下さいませ。」

ゼノーはしばらく黙っていてからおもむろに口を開いた。

「あなたは、その謎かけしかご存じないのですか?」

「は?い、いえ・・遺跡を尋ねて来る者にはこの謎に答えてもらうというのが決まりなのです。
・・・あの、何か不都合でも?」

ホル・エン・アケトはどぎまぎし始めた。

「いえ、別に不都合は。
私に取って都合がいいと言った方がいいでしょう。
が、その謎かけは正確ではありませんね。」

ゼノーはホル・エン・アケトに微笑みかけながら続けた。

「正確ではない?」

不思議そうな顔をしてホル・エン・アケトはゼノーを見つめた。

「そうです。晩に三本足になるとは限らないんではありませんか?
二本足のままの者もいるし、中には四本足とか六本足などにも、時と場合によっては、なる者もいます。」

「は?」

ホル・エン・アケトはその瞳を見開いてゼノーの言葉の続きを待った。

「答えは、『人間』です。違いますか?」

「そ、そうです。その通りです。間違いございません。」

「年老いた人間が杖を持つとは限らないのですよ。
それに中には乳母車とか、二輪の手押し車などを押して歩く者もいます。」

「そ・・そうですね・・」

確かにそうだと苦笑しながらもホル・エン・アケトは、ゼノーの言葉に納得し、惜しむことも無く自分の額からムーンティアを取ってゼノーに差し出す。

「では、お約束通り、このムーンティアを。」

「ありがとう。」
ゼノーはそれを受け取ると指輪にしまった。

「さてと、これで残るはあと一つ。第二層への道は?」

ゼノーが辺りを見渡しながら呟くと、ホル・エン・アケトがゼノーの前に跪き、うやうやしく言った。

「この遺跡の中から第二層へと行くことができます、闇王様。」

「遺跡の中から?」

「はい、そうでございます。」

立ち上がったホル・エン・アケトがその翼で閉じていた入口を撫ぜると、すうっと音もなく開いた。

「どうぞ、闇王様。そして、一刻も早くこの闇の世界の崩壊をお止め下さいませ。」

ゼノーは、再び跪くホル・エン・アケトの横を通ると遺跡の中に入って行った。

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遺跡の中へ

遺跡の中は、薄暗く静まり返っていた。狭い通路には土と苔やかびの臭いが充満している。
暗闇から何が出てくるか分からない、ゼノーはゆっくりと歩を進めていた。

中は迷路になっており、分かれ道ばかりだった。
右に曲がり、左に曲がり、再び左に曲がり、次の四つ角を右にそして・・・最初の頃こそ覚えていたが、そのうち何処をどう通ってきたのか、全く分からなくなってしまっていた。

「出口だ!」
喜んで外に出たゼノーは、そこで立ち止まった。

「まだ何か御用がおありなのでしょうか?」
そこに座していたホル・エン・アケトがゼノーを見て慌てて跪く。

「あっ・・・い、いや、別に・・・あ・・その、第二層への道はどの辺りになるのか、聞いておいた方がいいかな、と思って。」

「申し訳ございません。
私は入口のみの番人で、内部の事は全く存じあげないのでございます。」
ホル・エン・アケトは残念そうに言った。

「そうですか・・・」
期待したゼノーもがっかりした。

「ただ・・」

「ただ?」

「ただ、見た目より奥行きはかなり深く、そして地下に伸びており、神官がその一番地下の部屋にいる事。
また、そこへ行くまでに、何やらいろいろ生息しているらしいという事は存じております。」

「いろいろ?」

「はい、もしかしたら、闇王様と知らずに襲ってくるかもしれません。
どうか、十分お気をつけ下さいませ。」

「その地下への道は?」

「申し訳ございません。」

「そうですか・・どうもありがとう。」

「お役に立ちませず、申し訳ございません。」

「いえ。じゃ、私は。」

「お気をつけて。」
深々と頭を垂れるホル・エン・アケトを後にして、ゼノーは再び中に入った。

地下への道さえ見つけられずまた入口へ戻ってしまったゼノーは、最初の分かれ道の所でしばらく立ち止まって考えていた。

「確か最初は右に曲がったんでしたよね?」
自分自身に問い掛けると、ゼノーは反対の道を選んだ。

 

▼その30につづく…

闇の紫玉/その30・ミイラの願い

砂漠にある遺跡に入ったゼノー。 だが、内部は暗くしかも迷路。地下への入口さえ、なかなか見つかりそうもない。 どうしたものかと行き止まりの部屋にあったイスに腰を下ろして考え込んでいるゼノーの頭に一人の女 ...

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