月神の娘

続・創世の竪琴【月神の娘】27・円卓会議

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闇の浮遊城の一室で、渚ら5人とバッコスとで作戦会議を開く。
敵対している魔族の目的は?打開策はあるのか?

月神の娘/27・円卓会議

このページは、異世界スリップ冒険ファンタジー【創世の竪琴】の続編、【MoonTear月神の娘】途中の展開です。
渚の異世界での冒険と恋のお話。お読みいただければ嬉しいです。
(異世界スリップ冒険ファンタジー【続・創世の竪琴・MoonTear月神の娘】お話の最初からのINDEXはこちら
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浮遊城で作戦会議

「で・・どうしましょうか?」

浮遊城の一室、円卓を囲んで渚たちは作戦会議をしていた。

渚がイオルーシムに連れられて行った偽の光の神殿のあった、最下層。そこへ行く必要があるという結論には達した。が、そこからが皆目見当がつかない。

バッコスの情報によれば、そこにいられるということは、闇王に匹敵する魔力の持ち主だということ。

闇王との違いは、闇を作り出す力を持っていないこと。
ひょっとしたら違いはそれだけなのかもしれなかった。
つまり、味方ならば心強いが、敵だとしたら、かなり手強い相手となる。

「闇世界の魔族も、人間界と同様、いろいろな種族と、そして様々な考えを持つ者がおります。
なかには闇王を心良く思っていないものもいることでしょう。
ただ・・・闇王様を倒しては、世界そのものが存在しなくなる。
そのたった一つの理由で、それほどの力があってもじっとしているのだと思います。ですから、もしかしたら・・・」

「もしかしたら?」
渚はバッコスをじっと見つめる。

「そのイオルーシムとかいう人物を傀儡の闇王としようとしたのかもしれません。」

「傀儡の・・・」

「恩を売って逆らえないように。」

「イルを・・・・」

「そして、おそらく月姫様も。」

「でも、イルは闇を滅ぼすって言ってたのよ?
光の使徒に頼まれたって。」

「・・・・ふむ、そうでしたな。」
バッコスは顎に手をあてて考え込む。

「オレ、思うんだけど。」
洋一が遠慮がちに口を開く。

「つまりその魔族は闇王になれないから、力があっても支配者になれないんだろ?」

「そうです。」

「だからさ、そいつにとっては闇世界なんて滅んでもいいんだ。」

「いい?」

「ああ。」
洋一は渚を真剣な表情で見つめて続ける。

「闇世界が滅んだら人間界へ出ればいい。
そこで、自分が君臨するんだ。」

「あ・・・・・」
全員の表情が硬くなる。

「でも、闇世界が滅んだら人間界だって・・・」

「まーな。それも考えられるんだ。
だけど・・たぶん、そいつは、そうは思ってないんだろ?
晴れて自分が支配者にってことだ。」

「そ、そんなの・・・自分さえよければいいなんて?」

「まー、そういう奴もいるってことさ。」

「じゃー、ともかく、その魔族を見つけだして、話し合ってみなくっちゃ!」

「話し合いですむと思うか?」

「部長・・・・」

「場合によってはどちらかが倒れなきゃ決着は付かない。
オレたち全員か、その魔族か。」

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「その点なら、私たちの方に利があるでしょう。」
リーが静かに口を開く。

「私たちには渚がいるんですよ。
しかも女神のイヤリングがあるのです。
前闇王ゼノーを倒すことができたそれで、その魔族が倒せない事はないでしょう。
それに私も多少は術が使えます。」

「リー・・・」

ゼノーを倒した。それはリーの双子の兄。
渚はその言葉に、心に痛みを感じた。

「ともかく行ってみませんか?その最下層とやらへ?」

「あ・・じゃー、その前に優司と部長は一度帰って・・・」

「なんでだよ、姉貴?オレが帰ったら困るんだろ?」

「あ・・」
優司とリー、2人がいるから崩壊は一時的に止まっていたことを渚は緒も出して青くなった。

「ということで、山崎さんは?」

「は?そ、そりゃー、オレは役にたたないかもしれないけど・・。」

渚が苦労してるのに、自分だけ帰っても落ち着くはずはない、が、ここにいても何もできない自分では、足をひっぱるだけかもしれない、とも思う。

「2人一緒に来られたのでしたら、2人一緒でないと戻れませんが。」

「そうなの?」
渚も優司も、そして洋一もバッコスに注目する。

「はい、残念ながら・・・」

「でも、私とイルは・・」

「月姫様は別でございます。私がお送りしたのですし。」

「そ、そう。」

「大丈夫。オレ、後ろに控えてるよ。」

好きな女の前では言いたくない言葉でもあった。
でも、それは事実。ここではなんの役にもたたない。

「ほらほらほら、みんな、なにしみったれた顔してんのさ?
そんなんじゃ、倒せる奴だって倒せりゃしないよ?
もっとぱあっといこう!ぱあっと!
バッコス、酒が足らないんだよ、それとおいしいつまみ!」

「あ、はい、気がつきませんで。
ただいまご用意致します。」

バッコスが苦笑しながらファラシーナの言葉に従う。
浮遊城は、渚ではなく、明るく威勢の良いファラシーナの支配下に入っているような感じになっていた。

 

▼月神の娘・その28へつづく

続・創世の竪琴【月神の娘】28・ようやく合流

いよいよ敵と決戦?!闇世界の最下層へ降りた渚ら5人。 足下さえ見えない暗がりも、女神ディーゼの竪琴さえあれば道は開ける! Contents1 月神の娘/28・ようやく合流1.1 闇の最下層へ1.2 颯 ...

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